第4回 サービスからかけ離れたお店の実例

2010/12/08 13:31 に 編集部担当 が投稿   [ 2012/10/10 23:00 に更新しました ]
今回は「お客ではなく自分たちの都合で営業してしまったお店の実例」についてお話ししましょう。

顧客第一主義は偽り?

前回までに「接客」と「サービス」の違いについてを簡単に述べました。「接客」とは普遍的なものであり、かつ業務であって絶対やらなければならないもの、「サービス」とは個別的なものであってお客に感動を与えるものと定義しました。言い換えると「サービス」はお客の立場で考えて行動しなければなりません。

このお客の立場で考える事を、最近の飲食店では見受けられない事が非常に多いのです。たしかにほとんどの飲食店では「顧客第一主義」を掲げているお店がほとんどです。しかしそのとおり実行されているかと言うと「???」がつくお店が多いのもまた事実なのです。 先日こんな「???」な飲食店に遭遇したお話をしたいと思います。

時間は22時を少し回ったころ仕事を終えクライアント先から事務所に帰るときでした。私は一日にコーヒーを何十杯と飲む大のコーヒー好きですので、その時もコーヒーを一杯と思い、駅の近くのファーストフードに向かいました。そのファーストフードは22時30分までの営業でしたのでコーヒーを一杯飲むのにはまだ十分な時間があるはずです。そしてお店に入ると何と信じられない事が起こりました。「蛍の光」のBGMが店内に流れているのです。今流され始めたのか店内のお客も席を立って帰ろうとしている人が何人もいました。私は「あれ?」と思って、一度お店の外に出て入り口に書かれている営業時間を確かめました。そこにはやはり「~22:30」と掲示されています。再度お店に入りカウンターで注文をしました。 

私「ホットコーヒーをひとつ」 
店員「お持ち帰りでよろしいでしょうか?」 
私「店内で飲んでいきます」 
店員「まもなく閉店ですが」 
私「閉店までまだ30分近くありますよね」 
店員「はぁ」 
私「閉店時間までには帰りますから」 
店員「はぁ」 
私「ちなみにこのまま30分も蛍の光を流し続けるのですか?」 
店員「・・・・・」 
私「帰れといわんばかりで落ち着かないから止めてもらえます?」 

このようなやり取りのあと店員はしぶしぶ蛍の光を止めたのでした。なぜこのような事が起こるのでしょうか。理由は簡単です。このお店のスタッフは少しでも早く帰りたい。そのためには少しでも早く片付けをおわらせたい。お客が残っていると片づけがおわらないから早く帰ってもらいたい。ならば蛍の光を流して早く帰ってもらおう。という心理が働いたのでしょう。つまりこのお店のスタッフは自分たちの都合でしか考えていない、本来の主役であるお客の立場など全く考えていないという事になります。 

商売人の気持ちをスタッフ全員に浸透させる

お店の営業時間というのはお店がお客にする約束事のひとつです。何時から何時まで営業してますからどうぞご来店くださいと公に示しているのです。その約束を守らないのは明らかにお客への背信行為です。後日このファーストフードの本部の幹部の方とお話しする機会があり、この事を申し上げたら大変驚いた様子ですぐに店を指導し改善するとのことでした。その本部の方が「商売人として恥ずかしい。商売人の心がないのか」と嘆いておいででしたが、スタッフにアルバイトが多いお店という現場レベルまでこの「商売人の心」を徹底的に浸透させるのは難しいという事でしょう。 次回もこの「お客の立場でのサービス」について「???」なお店の実話を挙げ考えていきたいと思います。