解説 「基礎からわかる外食業界」

2010/06/14 2:12 に 編集部担当 が投稿   [ 2012/09/29 1:57 に更新しました ]

1. 外食産業とは

外食産業とは、レストランをはじめとした全ての飲食店とお持ち帰りの惣菜店などつまり中食を含めた産業のことを指します。

狭義での外食産業は、ファーストフード、ファミリーレストラン、居酒屋、ディナーレストラン、カフェといった店内での飲食の提供を主としている業種になります。

ですから、マクドナルドやデニーズ、白木屋、有名シェフの店、スターバックスなどは狭義の意味での外食産業になり、百貨店やスーパーでの惣菜やお弁当屋などを含めると広義の意味で外食産業といいます。

外食・・・企業、団体、個人により、経済行為が伴い、調理と飲食が時間や場所などにおいて切り離せない食事形態の提供。

中食・・・お弁当やおにぎり、サンドイッチ、総菜など調理済み食品。購入したものは家や公園など店内以外の場所で食する形態。

内食・・・これは食材を購入し、家庭や職場などで調理し食する事。一般的におうちでご飯を作る場合。


2.    外食産業の市場規模


上のグラフを見ると、外食産業の市場動向がつかめます。

1975年では8兆6257億円であった市場が約20年後の1997年には29兆702億円まで伸びています。その後はなだらかに減少しているものの2002年では25兆5749億円と横ばいになっています。 

数字が大きいのでピンと来ないかもしれませんが、いかに外食産業の市場が大きいかはその他の産業と比較すると手に取るように分かります。(下図参照)


3.    外食産業の特色

1. ガリバー企業がない

 業界最大手である日本マクドナルドの昨年度の売上額でさえ3800億円であり、全体の1.4%ほどです。下表を見ると、その他の名の通っている有名な企業はさらに売上高が低いのがわかります。これほど市場を独占している企業がないのが外食産業です。

言い換えれば、中小企業が多く個人経営店も数多く存在するということです。頑固親父のラーメン屋や愛想のいいおばちゃんが一人で切り盛りしている定食屋など街に溢れていますよね

2.    低資本金で出店が可能

脱サラでラーメン屋を開いた、元OLが経営しているカフェなどマスコミで話題になることがしばしばあります。今までサラリーをもらって働いていた人が独立してお店を経営しているのはよくある事です。では、なぜそれが可能なのでしょうか?

それは資本が少なくても開業することが比較的容易だからです。

だからこそガリバー企業がなく、中小企業が多く存在する特異な産業なのです。

 

3.    需要がなくなることが他産業と比較して考えにくい

食事をするということは生きる上で必要不可欠なことです。だからこそ私たちは食に対して貪欲になるのではないでしょうか。たとえば、マイカーがなくとも生活は可能です。どこかへ行きたい時は電車やバスなど公共機関を使えばたどり着きます。さらに言うなら歩いていくこともできないことはありません。しかし、何もしなくともお腹は空きます。それを食べること以外の他の手段で補うことはできないですよね。

ですから食に関する産業はなくなることはないのです。

この不景気のなか他産業が急激に落ち込んでいるのにも関わらず、外食産業においてはほぼ横ばいの傾向であるのも納得できるはずです。

 
4.    売上に占める諸経費からみた特色

 

上の円グラフを見てください。これは店舗売上に占める主要な各経費の割合を示したものです。原材料費と人件費で半分を占めていることが分かります。
レストランはお料理とスタッフのサービスが大きな2本柱となり成り立っていますので、当然といえば当然ですが、原材料費がトップにくる産業は他ではあまりありません。
食品製造業でさえも原材料費は15~20%程なのです。
また、人件費は外食産業ならではの特徴が見られます。一般的に企業の雇用形態は正社員が主です。しかし、外食産業ではパート比率が80.5%と非常に高いのです。皆さんも一度はレストランでのアルバイトの経験があるのではないでしょうか。

一口に外食といっても様々な業態がありファーストフード、ファミリーレストラン、パブ・居酒屋、ディナーレストラン、喫茶に大きく分けることができます。これは、メニューはもちろん価格やサービスレベル、客層などに違いがあります.私たちが外食しようとする時、自然と上記の特色を考慮して店を選んでいるのです。そして、店側もそれを分かった上でメニュー構成や価格設定やサービスレベルを決定しています。この内容は、次論でそれぞれ詳しく述べていきます。